2014年9月23日火曜日

Newいえそばの分解祭り ~蕎麦味のほうとうを作る

もう半世紀も生きてくると、だんだんデジタルものよりアナログものへの回帰が始まり、ついには野菜を作り、蕎麦でも打とうという気分になってきた。

ということで、蕎麦打ちの道具でも買おうかと思ったが、あれこれ探しているうちに「いえそば」というタカラトミーのガジェットがあることを知った。ついでに「NEWいえそば」という新バージョンが出ていることも知った。

ということで、あれこれ探していると、NEWいえそばがほぼ新品の中古でAmazonで出ていたのでついAmazonポイントが貯まっていたのをいいことにポチってしまった。届いた箱はやや傷んでいて、倉庫にあったような古い臭いが少ししたが、確かに中のビニールはついたままで新古品という風情であった。説明書がないとのことであったが、インターネットの世の中、ドキュメントなんぞどこででもゲットできると気軽に考えた。

ところが、まず製造元のタカラトミーのサイトには、まるで名門一族から芸人が出てしまったという雰囲気で(いとうあさことかクリス松村というところか)、いえそばの話は影も形もない。一度世間に発表して製品を売って、わずか数年でサポートどころか痕跡もないとは、いったいどういう会社だよ、株を空売りしてやろうかとか思った。よく考えたら数年前に買って少し上がったところで決済したことがあった。

ということでネットで探したが、頑張っている人は多いが、説明書のあるような細かい手順を書いてあるものは少ない。各サイトの情報を断片的に寄せ集めて、とりあえず何とかあるかなあ、というところまで来た。

ついでにネットの粉物店から蕎麦打ちセットというのを頼み、国産蕎麦粉、つなぎの薄力粉、打ち粉が入ったものをゲットした。


手元のデジタル時計のあまり信用できなさそうな温度計と湿度計で26度、45%で蕎麦の撹拌を開始した。まず小麦粉100gをデジタル重量計で測り、次に5:5なら間違いあるまいと蕎麦粉も100gほど測った。


ハンドルでくるくる回し、粉を混ぜる。2分ほど混ぜた。次に水は粉の半分とあったので100cc、つまり100gほどを測り、上蓋に3分の2ほど注いだ。ここのは針の先ほどの穴が3つ開いていて、そこからポタポタと水が粉に混ざるというわけだ。約3~4分というが頑張って4分間高速回転させた。

イマイチ混ざりが少ないので、4gほど水を追加する。あとで気づいたが、これが地獄の一丁目への入口だったのだ。

次に水を入れる方でない溝にヘラを差し込み、さらに1分ほどハンドルを回す。このヘラがダマになった蕎麦粉を押さえつけるので、ダマがしだいに大きな塊になっていく。この時点では、意外に初回から成功ではないか。蕎麦打ちもツールを使えば恐れるに足りず、と思っていた。

やがてボウルから取り出し、この塊をぎゅっと何度も何度もこねる。中から空気を出すことが主眼とどこかに書いてあった。また一方方向のみにこねて、菊の花のようにするのが肝心とあったが、俺のは菊の花というより、幼稚園児の粘土遊びという感じだ。

意外にベタベタしてまな板にくっつくので、打ち粉をふんだんに撒いて何度も何度もこねる。打ち粉をセーブせずにばーっと走らせ、何だか気分だけは蕎麦職人である。

そしてNEWいえそばにノシ器をセットして、2つに分けた玉をのした。あとでよく見たら、まず厚い設定で一度のし、さらに薄い設定にして再度のす必要があると説明されていた。

ところが、そこをすっかり失念していてよく確認もしないで1回のしただけで終えてしまった。次の工程に行くときに気づいたが、もうのし器を流しで水に浸けてしまっていた。湿っていると粉がくっついてしまうのでこれはもう諦めるしかない。

その後、何とかなるだろうと安易に考えて、最初の平面に打ち粉をふんだんにまぶして、のし器のセットした。一反木綿みたいな平たい蕎麦粉ペーストはのし器の吸い込まれていく。どんな蕎麦が出てくるのか楽しみにして見ているが、何も出てこない。よく見るとローラーに巻き付いてそのままローラーや麺をカットする歯車に絡みついて、さらに圧縮されていた。

こりゃいかん、中で固まったりしたらこの機械は二度と使えないではないかと思い、外の流しのバケツに水を張り、そこに浸けておいた。残りの(写真右)ののした蕎麦は打ち粉をして三重に折って、包丁でうどんかきしめんか、はたまたほうとうか、というサイズに切って、ラーメン用片手鍋に煮立てたお湯で1分半ほど茹ででからネギとS&Bワサビを入れて、ヤマキめんつゆをぶっかけて食った。


さすが国産蕎麦粉だけあり、味はよかったし、全体重をかけて玉をこねたので歯ごたえは史上最強で、腰のある麺の好きな自分としては満足したが、如何せん蕎麦と呼べる代物ではなかった。

反省点としては、1)水100ccは多い、ヘラを装着すると意外にすぐ玉になるので、できれば90g以下で混ぜてこねること、今回はさらに数cc入れたので、それで糊のようなペーストになってしまい、少々の打ち粉ではリカバーできなかったのが痛かった。

2)相当たっぷり撒いたが、打ち粉は遠慮なくたっぷり使うこと、打ち粉がないとわりとペタペタくっついてしまい、扱いにくい。

また3)まず厚めの設定でのして、次に薄い設定でのすこと、これでしっかり薄くしないとカットのところでまたへばりついてしまう。蕎麦粉はまだたっぷり2回分くらいあるので、これらの点に注意してまた近々挑戦してみたい。

急いで食ったあと、ドライバーで麺切り器を分解して、バケツに水を張り、爪楊枝で蕎麦ペーストのカスをこそぎ落とす様は何とも残念であった。

あとでAmazonのレビューで高評価を付けている、つまりうまく使いこなしている人の記述を見たところ、皆様いろいろなコツやノウハウを公開されていた。次回はそういうのを見て作ろうと思う。