思えば社会人になったばかりの四半世紀以上昔に、14万円だかいくらか出して電話加入権を買ったのだが、結局電電公社からNTTに変わった際に、まるで豊田商事の金の証券商法のように、あっさり紙切れになってしまった。
辛うじて2万円くらいで金券ショップかどこかに売ったのがせめてもの救いだった。
さて、とはいえ子供の学校の連絡とかADSLの通信とかでアナログ回線は使っているのだが、数日前に何と急に音声が通じなくなってしまった。
試しにホワイト割でいくら電話しても無料なのをいいことに、固定電話から俺のiPhoneに電話して息子に取らせる。
音声はスピーカーモードにすると受話器内蔵のスピーカーから出てくるが、こちらで話した音声はどうにも聞こえてこないようだ。
もう10年くらい使っているから買い替えもやむを得ないかと思ったが、実はうちの電話はPanasonic VE-GP62DWというモデルで、FAX受信機能があり、受信したFAXを印刷するのでなくSDカードに記録できるという、なかなかユニークな機能をもったモデルである。
なぜ同様の機能をもった電話機がないのか、何とも不満に思っている。
このインターネットの時代で、FAX電話機を受信機能については2年に1回も使う機会はないのだが、いちいち印刷式のFAX内蔵電話機を買うのも無駄だしアホくさい。
それにしても本体内蔵スピーカーで音声が出るということは、もしかして受話器のマイクロフォンがイカれているだけではないかと思いたち、ダメ元で受話器だけを取り寄せてみた。
その結果、やや音が歪んでいるような気はするが、無事に通話できるようになった。
1万円以上の出費と覚悟したが、結局、800円未満で済んでよかった、という有り難い話。音が出なくなったときは、受話器のマイクの故障を疑ってみるべし。