2014年7月13日日曜日

銘機NS-10M直系の子孫、YAMAHA NS-BP200の音質は十分満足できる

高校生くらいの頃、まだレコーディングがOTARIの24chアナログレコーダーなどで行われていた頃(のちに世田谷区に住むようになって、車で近隣の調布を通ったときに、オタリの会社があってちょっと感動したことがある)、プロ用の中型スピーカーはAURATONEという16cmくらいのフルレンジスピーカーを搭載したキューブ型スピーカーと、YAMAHA NS-10Mのいずれかと相場が決まっていた。


この頃からYAMAHA NS-10Mに憧れていたのだが、残念ながら生産中止になってしまった。後に実家近くのハードオフで5,000円で買った弟分のYAMAHA NS-10MMをつないでいたのだが、いかんせんこちらはマイクロスピーカーで低音が出ず、さらにうちの居間が安い合板建材でこれでもかと音が乱反射する環境なので、残念ながらあまりいい音ではなかった。

そうこうするうちに、最近ホームスピーカーのYAMAHA NS-BP200というのがあるのを知った。時折Amazonや楽天で調べていたが、売値がスピーカー2本で9千円前後と何だか驚きの価格である。

ときどきAmazonから「スピーカーをお探しですか?」というメールが来るので、つい値段を見ていたが、ついにほぼ8千円まで来た上、在庫が残り3個とか出てくるので、ついポチしてしまった。翌日の朝、ヤマト運輸の見慣れた配送員の方が(見慣れるほど買うな、という感じだが)届けてくれた。

箱は縦、横、高さとも40cmくらいでさすがにPC用小型スピーカーよりは大きく感じる。


さっそくNS-10MMを取り外し、こちらに載せ換える。これまで15cmもなかった奥行きが30cm近くなり、スピーカーの容積が見た目でも4倍になったのが分かる。横で見ていた愚妻の琴線に触れたようで、みるみるうちに般若の正体を現してきた。心の中で「悪霊退散」とか「急急律令如」とか「色即是空」とか知る限りの魔除けの呪文を唱えつつ、スピーカーケーブルをつなぐ作業を続ける。

周波数特性は下は55Hzだが上は何と80KHz、俺の最近遠くなってきた聴力からは信じられないほどのワイドレンジだ。実際に自分のリファレンスである伝説のブラスロックバンド、スペクトラムのCDを再生する。ブラスの響きから低音部で暴れるベースラインなど、バランスよく再生された。

まだエイジングしていないのと、横にいる悪霊をまだ退散できていないので、大きな音量で複数の音源を聴くことはできないが、いずれいろいろ楽しんでみたい。

<同日夜に追記>
ようやく妻が買い物に出掛けた隙をついて、いくつかのソースを再現してみた。音質はいいし、黒光りするボディの質感はYAMAHAの他の廉価サブウーファーを彷彿させるものがあり、低音がしっかり出ているのには感動した。

低音は下は55Hzまで。もう少しハイエンドになると50Hzまで出るようでBP200では若干低音が弱いのかもしれない。

とはいえ、ボディ内部のダクトで低音を鳴らす構造になっているためか、十分に低音が出ているのを感じる。物足りない時は、アンプ内蔵の、もしくはiPhone/iPad本体のイコライザー(バスブースター)などで低音を強めにセットするといいだろう。

また分解能も素晴らしく、ウィーンフィル、カラヤン指揮のチャイコフスキー、くるみ割り人形より、「花のワルツ」を再生してみたが、バックで微妙にアクセントをつけるコントラバスの音から、右手奥で時折鳴るトライアングルの音までしっかり再現されていた。

まあ昔のアナログ時代の音源や木製スピーカーに比べるとどこか硬い感じはあるが、BBEアンプ7千円、このスピーカー8千円、合計15,000円でこれは何だか神に対する冒涜といっていいレベルだ。まあ俺は無宗教だが。

圧縮オーディオを補うために、Buffalo BBEデジタルアンプのBBEを全部オンにするという下駄を履かせた音であったとはいえ、8千円ちょいでこれなら、もしかして死ぬまでこのスピーカーでいいような気さえした。










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