参考: Bacchus BTE-1Mを買う
そうなるとちょっとセミアコ風のシンラインのテレキャスターが良いのではないかと思い、BacchusやMonogramなどの海外製、またFenderやフジゲンなどの国産を見ていましたが、指板がローズだったり、フロントピックアップ(ネック側)がハムバッカーだったり。
シンラインで、指板がメイプルで、そしてフロントピックアップがハムバッカーでなくリップスティック型のシングルコイルという条件を満たすものがなかなか見つかりません。
シンライン +ハムバッカーのモデルは本家FenderでもFujigenなど国産でもいくつもあるのですが、普通にしっかりした音が出るので、あの独特の軽い音を得るには、シングルコイルのリップスティック型ピックアップを選ぶ方が私の好みに合っているように思いました。
さらに通常、ストラトキャスターやテレキャスターといったFender系のギターは21フレットが主流ですが、本国アメリカFenderの最近のモデルやFujigenなどの国産モデルではレスポールやES-335などと同様に22フレットが多いです。
上がEまで出るので、ロック、ポップス、フュージョンなどにも使えるということで、上記の条件でなおかつ22フレットのモデルがあれば一番いいとも思っていました。
あれこれ探していると、スペイン製メーカーSXの激安シンラインKTL-300が意外に作りもよく評判が良いことがわかりました。
ところが、このモデルは昔のFender同様、21フレット仕様なのでした。逆に見れば、コピーモデルとしては忠実なんですが、できれば22フレットがいいなあと悩みました。
とはいえ、どうせジャズをやりたいとフルアコも使っており、フルアコは20フレットですからそれに比べれば21でも22でも大きな問題ではないか、と思い直し、結局Amazonでポチってしまいました。
ところが、最初に届いたものはフレットの仕上げが雑でかなり弦高が高いセッティングなのにも関わらず、3フレットを抑えると手前のフレットに当たってしまい、音がビビる状態でした。こういうハズレが混じるのは、さすが中華ギターではあります。
私はこれだけ物欲ライフを送っていて、しょっちゅうガジェットを新品だけでなく中古でも買っていても、わりと当たりばかり引いているのですが、これは製造技術が低く、意外にハズレ率が高いということかもしれません。
すぐにAmazonサポートに初期不良だから交換してほしい旨を連絡したところ、30分もしないうちに返信が来て、不良品を1ヶ月以内に返送するということで、すぐに代替品を送ってもらいました。
スチール製の弦がフレットやボディを傷つけないよう、保護シートが巻いてあるのはなかなか好感が持てます。ピックガードにアメリカ合衆国のシールが貼ってありますが、よく見ると、「American Swanp Ash」の文字が書かれています。
これは、アメリカ製のスワンプアッシュ材をボディに使っているということです。安いバスウッドやBacchusでお馴染みだったポプラ材より、昔のFenderに近い木材を使っているということです。実際に写真を見ていただければ分かるように、単番でなく3ピースの木材を使っています。
前回の雑なフレット処理と同じ症状がないか、自分の好みの弦高にセッティングして、1フレットから21フレットまで順番に音の鳴りをチェックしました。幸い、音のビビリや詰まりはなかったので、一安心です。
あとは安ギターによくあるフレット脇の粗い仕上げですが、1〜2万円くらいの安ギターでは仕上げはひどいです。楽器屋でチェックしますが、フレットのギザギザが酷くて、指先が擦り切れそうになる感じです。
逆にBacchusとかは多少個体によっては粗いところはあるものの、廉価版の中ではいい方です。
もちろん、当たり外れはあるし、楽器店に行くたびにチェックしていますが、最近のモデルはわりとイマイチな、ザラザラしたものが多い気がします。
まあ1万円で贅沢言うな、と言われるとそれまでですし、やはり綺麗に仕上げてあるハイエンドのモデルにはかなわないです。
それからFenderの弟分と言われるSquierは、値段は3万とか5万しますが、これも値段のわりには完成度はイマイチ。看板料が高すぎでしょう。
20年前のフジゲン製のMade in Japanストラトキャスターを持っていますが、同じ値段で今の6〜8万円のモデルと張り合えるレベルなので、昔の良いSquierを知っているオールドユーザーとしては、ちょっとならず残念です。
ではSXの仕上げはどうかというと、やはり廉価版中華ギターらしく、細かい作りは粗いところもあります。
なぜか高級なテレキャスターカスタムのように指板の左右はバインディングが施されています。フレットのサイドの仕上げについては、ところどころ指が少し引っ掛かるところもありますが、先ほど列挙した売値1万円ちょいの廉価ギターに比べると、ちょいマシです。
たとえばfホールの脇は少し粗いところやバリも出ています。
またフロントピックアップも微妙に垂直ではない角度で取り付けられています。
その辺はもうFender系の工業製品ギターなんで、気にしません!!
ペグですが、きちんとトルク調整機能付きで、最初は弦の弛みを取りつつ弾いていましたが、その後はチューニングの狂いもなく、しっかりした作りです。
半日後に一部の弦で1-2Hzくらい音が低くなっていましたが、2日目以降はかなり安定してきました。
半日後に一部の弦で1-2Hzくらい音が低くなっていましたが、2日目以降はかなり安定してきました。
またボディやネックには表面にグロス処理がなされており、テカテカ光沢があります。汗っかきの人には少し滑りが悪くなるとも言われますが、見た目は高級感があります。
さらに凄いのは、なぜか指板表面にまでグロス処理が施されています。
普通、指板はそのまま未処理もしくは薄い塗装で木材が出ていますが、この後しばらく弾いているとどうなるのか、怖いやら楽しみやら。
適当にスレてオールドFenderみたいな味が出てくると格好いいのですが。
さらに凄いのは、なぜか指板表面にまでグロス処理が施されています。
普通、指板はそのまま未処理もしくは薄い塗装で木材が出ていますが、この後しばらく弾いているとどうなるのか、怖いやら楽しみやら。
適当にスレてオールドFenderみたいな味が出てくると格好いいのですが。
このモデルの1つの特徴は、ネックがUシェイプでなおかつ米国Fenderのように太めのネックであることです。逆にBacchusとかフジゲン、Ibanezはわりとスリムで手が小さい人でも弾きやすいので、Ibanezのフルアコからこちらに持ち替えると、何だか明らかに太めなので違和感を覚えるほどです。
さらに面白いのはボディがやや薄いです。通常のテレキャスターの厚みは45mmですが、SX KTL-300は40mmです。
さらにシンラインでボディが軽くネックは太いので、ナイロンや合成皮革のストラップで立って弾く場合、ヘッドの方にずるずる下がっていきます。
まあボディが軽いのは、体力下り坂の中年オヤジにとっては嬉しいことではあるのですが。
サウンドは普通にテレキャスターの音をしていて、さらにシンラインで中身半分が空洞のせいか安いリップスティック型フロントピックアップのせいか分かりませんが、乾いた軽い音なので、自分のやりたい少し古めのジャズには向いていると思います。
激しく効くわけではないですが、トーンを0まで絞るとややダークな音に、またトーンを5〜7くらいまで上げるとボサノバとかに使えるようなブライトで軽快な音が出ます。
あとはロックに使えるか、リアピックアップにして、KUSTOMの真空管アンプでゲインを上げたり、イコライザーで高音と低音をブースト気味にすると、ブルースや西海岸ロックに使えるくらいにオーバードライブした音が気持ちよく出てきます。リアピックアップはあっさり歪んでくれて、意外にパワーもあるようです。
ということで、見た目もばりばりで、意外にいろいろなジャンルに使えそうなSXのシンラインテレキャスター、しばらくは日々に練習用にメインで使っていこうと思っています。
<2018/1/31追記>
見た目も格好いいし、音もこの価格とは思えないほどいいし、がっつり使い倒したい反面、ハイエンドのギターと違ってフレット脇の仕上げが粗いのはどうにも気になります。
やむを得ず、100円ショップでダイアモンド粉末入りの細い棒ヤスリを買ってきて、暇を見てはフレット脇を磨いています。多少いい感じになってきましたが、まだ少し指先が引っ掛かる感覚は残っています。この辺は中華ギターだよな、とは思います。
<2018/4/24追記>
その後、母体はいいのに細かい作りがイマイチなので、リペア工房にお願いしてフレットの擦り合わせや全体の調整をしてもらい、見違えるほど手触りがよく、弾きやすくなりました。
参考:24,000円で買ったSX KTL-300を12,000円で国立音楽院の工房で調整してもらう
さらに自分でフロントピックアップ(ネック側)を、Fender Japanなどで使われているというGotohピックアップに交換しました。
参考: SXシンライン テレキャスターKTL-300にFender Japanと同じGotohのピックアップTL-Classicを乗せてみる
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