何か3週間くらい前に、大昔に中古で買ったまま積んでおいた上原ひろみ「Another mind」を聴いたら凄く良くて、その後もYouTubeとかで彼女の演奏を見ていた。
バックのベーシスト(何でも速弾きギタリスト、ジョン・マクラフリンの甥っ子という人と、昔から多弦ベースを弾いていたアンソニー・ジャクソンがいた)が6弦ベースとかでギター顔負けのソロを弾いていたが、それを見ていたら、全く音楽性とかどういうことでなく、単に見た目が格好いいというだけの理由で、5弦ベースが欲しくなってしまった。
とりあえずいいギターを1本売って、あとは小遣いを振り絞ればよいと考え、IbanezのSR-505というインドネシア製ミッドレンジ5弦ベースを狙っていた。
ある日、何気に楽天を見ていると、10年以上前のIbanez SR-3005という5弦SRシリーズの銘機が中古で売りに出ていた。新品で505を買うのと同じくらいの価格で、いわば少しブスでガサツだけど若い女の子VS美人で気が利く、やや年増の対決といった風情である。しかしMade in Japanの魅力に負けて、SR-3005をポチってしまった。
2日後、古いIbanez製ケースに入り、ビニールのパッキンで厳重にくるまれ、SR-3005は我が家にやってきた。
さっそくパッキンを外し、ケースから取り出して検品する。当然保証はないが、保証書やマニュアルが入っていて、2003年製らしきことが分かった。うちのアホ息子より年上か。
ブリッジは何と各弦が独立している。不要な振動や鳴りを抑える効果があるらしい。確かに4弦でも変な音が出てしまうことがあるのに、5弦でミュートするのは難しそうだが、多少なりとも軽減されるなら有り難い。
コントロールは弦に近い方が上からボリューム、下はピックアップのバランサーで真ん中でカチっとラチェットがあり、その地点がフロントとリアの配合が50%ずつということらしい。弦に遠い方はパラメトリックイコライザーである。ネットで評判を見ると、Ibanezの上位機種のイコライザーは恐ろしいほど効き、かえってセッティングが決めにくいとのこと。
上はTreble/Bassブースト/カットで低音は100Hz前後に、高音は10KHz前後にピークがある。試しに低音側につまみを回してブーストしたところ、何だかレコードで聴いたようなゴリっとした、魅惑の重低音が出てきた。今度は高音側に回してブーストすると、フュージョンとかプログレで聴くような抜けのよい明るい音が出てきた。この音を聴いたとき、なるほどアクティブベースがジャズやフュージョンで好まれる理由が分かったような気がした。まさにプロの音だ。
さてネックは何の木が知らないが、ウエッジとブビンガという材質の5ピース構造になっている。ラッカーとかニスで仕上げているわけでないが、木の手触りが心地よい。多くの人がいうことだが、確かにネックはスリムで薄くて、運指がしやすい。何の木か分からないがアフリカ原産のやや赤っぽい木である。
そういえばうちのIbanez製ウクレレもパドゥク材という、赤っぽい材質を使っている。Ibanezはどこでこういう木材を見つけてくるのであろうか?
ペグはツヤ消し黒で中古にしては回転もスムーズで回しやすい。ふつうのニッケルと違ってサビも出ていないのがうれしい。
ということで、どうしても一番太い弦Eで、たとえば3フレット目はG、5フレット目はAというのがすっかり無意識の底の方まで浸透しているので何とも妙な感じがするが、5弦目の並びが覚えられないので、3フレットはレ(D)、5フレットはミ(E)、8フレットがソ(G)とか声に出しながら弾いている。
で、結局ローフレット側に何箇所かフレットが減りすぎていて弦がビビるところがあるので、ギターリペアのショップに頼んで調整してもらうことにした。おそらく擦り合わせしてもらうことになりそうだ。
まあ音はこれまで聴いたことがないくらい素晴らしいので、ずっと使いたいし、もし5弦の音階を覚えるのが面倒になったら、5弦は触らずふつうの4弦ベースと同じつもりで使えばいいかとも思う。まあ一生ものの楽器になるだろう。
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