エレキギターでは、不要な弦の鳴りをどう防ぐかは、けっこう大変です。
いわゆる消音(ミュート)と呼ばれるテクニックです。
たまにギターマガジンの記事とかに書かれていた記憶はありますが、あまり本とかにもありません(最近はネットでいろいろ解説がありますが)。
特にソロはもちろん、ジャズのコード弾きでは、ルート、3度、5度をオミット(省略)して7度や9度、11度、13度とテンション音を入れます。
そのため、6本の弦のうち1〜2本の弦はつねに鳴らないように、どこかで軽く触れておく必要があります。
たとえば5弦ルートの時は6弦を鳴らすと、ひどい不協和音になり、しかも一番太い弦なので音量も大きく、かなりひどい音になります。
ということで、5弦を押さえた指の先端を6弦にも軽く触れさせて鳴りを押さえたり(ピックは当たるので、カチャというパーカッシブな音はしますが)、親指を伸ばして6弦に触れたり、という処置が必要です。
人によってやり方は違うかもしれませんが、自分の場合をご紹介します。
多少なりとも困っている方のご参考になれば、幸いです。
左手は指の腹で
たとえピッキングしていなくても、逆に運指の途中で細い方の弦を擦ってしまい、ビョーンと鳴ってしまうことがあります。
たとえば、3弦を鳴らしている場合、指の腹で2弦と1弦に触れます。
たとえば、3弦を鳴らしている場合、指の腹で2弦と1弦に触れます。
さらに1弦は細くて触れにくく、うまくミュートできないこともあるので、指の付け根に近いところで1弦に触れています。
右手は小指側の側面を線として使う
次に鳴った際の影響が大きい太い弦のミュートです。たとえば全然関係ないコードの時に、一番音の太い6弦Eの音がボーンと鳴ってしまうと、ひどいことになります。
高音弦なら、不協和音がひどくなるアヴォイドノート以外は、「ちょっと変わったテンションコードを入れてみました」とすっ惚けることもできますが、低音弦は全体の雰囲気を決めるため、鳴ってしまうとぶち壊しです。
基本的に、ピッキングする右手の小指の付け根から手首まで(空手チョップやプロレスの逆水平で相手に打ち当てるところ)をブリッジに乗せています。
この写真では3弦を弾いているため、4〜6弦のブリッジの真上に軽く触れています。
ピッキングに合わせて、4弦の時はその分手が移動して、5〜6弦のブリッジの真上にあるようになります。
6弦を鳴らす時は右手のミュートはなくなり、その分、6弦を押さえている左手の指の腹で、1〜5弦に触れることになります。
一歩ずれて鳴らすべき弦に触れてしまうと、ポコポコとミュートするような音になってしまうので、ブリッジに手を置いたピックングの反復練習が必要になります。
演奏のダイナミクス(迫力や強弱)を忘れずに
ただし、弦の鳴りを抑えるあまりに、演奏のダイナミクスが犠牲になるようでは本末転倒です。
自分ではミュートはそれなりにできているので問題ないと思っていたのですが、以前、ジャズギターの師匠に「何だか弾き方がこじんまりしているなあ、もっと元気よく弾かないと」と注意されたことがあります。
「ミュートも大事だし、自分も常に必要な弦以外には指か手のどこかが必ず触れるようにして、鳴らないように習慣付けているけど、その前にしっかり強弱のあるピッキングをしないと」ということです。
まずは変な音が鳴ってしまっても、自由自在に弾けるように練習して、その上で少しずつ左手や右手のミュートを習慣付けて行くべきでしょう。
ちなみに今回ご紹介した方法以外でも、ミュートの仕方はいろいろあるようです。
これはこれで、通常の練習と並行して研究していくべき分野ではありますね。
ちなみに先月号のギターマガジンは日本のジャズ特集で、よくぞ調べたと思うほど、ニッポンのジャズの歴史が記載されていて、大変面白かったです。おすすめです。
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