2018年2月6日火曜日

本格的なフルアコ、Ibanez ARTSTAR SF301 VNをゲット

年明けにまたリユースショップにだらだらと出入りしていたら、見慣れぬ、でもGibson L-5など伝説のジャズギタリストが愛用したフルアコと同じシェイプを持ち、さらに小ぶりのフローティングピックアップを搭載した本格的なフルアコギターがありました。

これは終生の友に出会えたと思い(ちなみに年に何度かは終生の友と空い、その後分かれたりもしているので、大半は勘違いなのですが)、10万近い売値に少し逡巡したものの、以前買ったEastmanのES-175モデルを売ればいいかと考え、カードで買ってしまいました。


ちなみにフルアコはハイフレットにも手が届くようにボディがカットされていますが(カッタウェイ)、ES-175のような鋭角のカット(写真左)とスーパー400やL-5のような丸みを帯びたカット(写真右)があります。

一説によると、前者は2枚の木材を貼り合わせることができるので製造コストが安上がりなのだそうです。

とはいえ、いずれのタイプもさまざまなジャズギタリストの演奏で見られるもので、今やジャズギターの象徴という感じもします。

ということで、持ち帰ってきたIbanez AERSTAR SF301です。色はヴィンテージナチュラル(VN)で、オールドギターの雰囲気があります。



端っこに僅かに打痕のような小さな傷がありましたが、全体にとても綺麗です。ゴールドの金属パーツなどにもほぼ汚れやくすみはなく、フレットの減りも全くなく、前オーナーがあまり使っていなかったことを思わせます。

表面は美しいアーチを描いており、ピックアップは伝統の小ぶりなフローティング型。ボディとの接点はなく、上はネックの付け根側面と、下は黒いローズウッドのピックガードにネジ止めされています。

地味な装飾のあるテールピースは、ボディのはじまで延びています。ローズウッドのブリッジは弦の高低のみ調整できます。

フロントピックアップに1ボリューム1トーンのシンプルな構成で、ピックアップから出た電線が直接ボリュームポッドにハンダ付けされています。

トップはスプルースですが、後ろはメイプルでしょうか。トラ目が出ていますが、最近は木材は値上がりする一方だし、印刷や塗装の技術が上がっているので、人工トラ目かもしれません。それでも風格のある仕上がりです。

またネックはやや幅広いものの、それほど太くはなく、手の小さい私にも握りやすいです。コードチェンジとかやりやすいサイズだと思います。

ネックはストライプが出ていますが、メイプルとウォルナットの5ピースの合板とのこと。どちらも硬い木なので、ネックのソリとかには強そうです。

ヘッドはIbanezフルアコの特徴でもある大きく広がったラージヘッド。ペグに弦を巻くときにちょっと4弦や3弦が巻きにくそうですが、雰囲気は好きです。

大きく丸いカッタウェイは、意外に深く19フレットくらいまで楽に手が届きます。


Ibanez純正の黒い大きなハードケースに入っていました。


Ibanezのフルアコはだいたいラインナップが決まってきましたが、数年ごとに色とか仕様、細かいデザインを変えてモデルチェンジします。

また年度毎に15万円前後の価格帯、つまり中華ギターとしてはハイエンドに当たるレンジで、限定生産のモデルを出しています。このギターも2013年のみのモデルであり、生産量は少ないようで、滅多に目にすることのないギターではあります。

明るくやや固めの音だが

肝心の音質ですが、木材のせいか、生音はわりと固い音が出ます。

もちろんフルアコの豊かなエアー感は十分にあるのですが、生音で聴くと音の立ち上がりが意外に強く、トレブリーと言えるほどブライトでやや固めの音です。

以前ゲットしたEastmanのGibson 175コピーモデルも、わりとこういうブライトで立ち上がりの速い固めの音でしたが、あれは木材がメイプル合板だからでしょうか。

参考: ついにフルアコ最終兵器へ ~EASTMAN AR-175CEをゲット

今考えると、このIbanez SF301を買ってしまったので、全然「最終兵器」ではなかったですね。やたらなことは言えません(多汗)。

SF301はトップの木材が固い針葉樹のスプルースなので、こちらもやや明るめの音とは予想していましたが。

次にアンプをつないでみます。こちらも昨年ゲットしたKUSTOM Tube 12Aという12Wの真空管アンプをゲインを通さずにクリーントーンで鳴らします。

参考: 真空管アンプKustom Tube 12Aをゲット

生音だと明るすぎる感じですが、アンプを通して、ジャズギターらしくトーンを絞ると、ちょうどいい、ふくよかでジャジーな音になります。

コードを鳴らすとぞくぞくするような気持ちいい音が出ます。

まさかアンプにつないだ時の「鳴り」を計算して、あの固めの生音を設定しているとすれば、怖すぎというか、凄すぎです。

非常にふくよかながら張りのある音で、ジャズがメインの用途になると思いますが、ブルースとかボサノバとか果てはカントリーとかいろいろ使えそうです。しばし愛用していこうと思います。




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