その中にひっそりあったのは12Wの真空管アンプ。別に今使っているFender Sidekick Reverb 15Wで全然不自由していないのだが、如何せん理性の働きが弱いので「真空管」という単語に勝手に身体が反応してしまい、中古価格も3,500円(税別)というのも勝手に「激安価格→超お得」と脳内変換されてしまう。
細部の粗探しをしてケチをつける陰湿な日本人と、とりあえず80点くらいならPerfect!とかいう雑な米国人の共同体の気質の差があり、一概に参考ならないが、このサイズと価格で考えられない、とか素晴らしいという単語が並んでいたので、翌日また18km走って買いに行く。
歪ませるわけでないので真空管にする必然性もないのだが、やや中域が出た、それでいて素直なトーン(逆に言えば、没個性な音で真空管である意味がないかもしれないが)は自分的には好きであった。
まず外見だが、Fender ツイードやOrangeのようなコントロールは上面にあるタイプ。スピーカーはFenderのアンプなどでも使われているCelestionが採用されている。いいのかどうかは分からないが、ギターアンプ専用ということで信用できる。
コントロールは歪み具合を決めるGain、音量Volume、それに高音(Treble)と低音(Bass)とシンプルな構成である。左下にあるスイッチでイコライザーを通すかどうかを設定できる。特に必要なければイコライザーはスキップしても良い。
最近の練習用アンプにあるような携帯電話や音楽プレーヤーをつなぐ外部入力はないが、アンプから外部スピーカーをつなぐ「EXTERNAL SPEAKER」端子、アンプの音声を直接ミキサーやオーディオインタフェースにつなぐのに便利な「LINE OUTPUT」端子がある。
12Wの非力な練習用アンプで他のスピーカーをつなぐ用途はあまり想定できないが、何かプロっぽくて気分だけは良い。
Gainを半分くらいに上げると、テレキャスターの非力なシングルコイルピックアップでもオーバードライブという感じで気持ちよく歪む。うちのハムバッカーピックアップのYAMAHA SA-700やGreco RS-100をつなぐと、これまた西海岸ロックのような気持ち良いサウンドも出る。
ということで、マーシャルで激しく歪む、とかヘヴィメタの世界には向かないが、俺のような軟弱な音楽好きが家で使うには丁度いい。
さらにいうと、気がつくと悪妻がアンプの上に座布団を敷いてソファの下に置き、そこに足を乗せてリゾートスタイルで寝そべっていた。足置きに丁度いいサイズらしい。頑丈にできているので、補助椅子に使っても大丈夫だろう。
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