2015年10月24日土曜日

海外から日本語のKindleを読む方法

たまに豪州在住の妹に日本の本を買って国際スピード郵便(EMS)とかで送ってやるのだが、送料がけっこう取られる。

たとえ肉親といえども衰退国家に住む兄に経済的負担を強いて平気なのか、と思うとだんだん腹が立ってきて、メールを書いてiPhoneやPCを持っているならKindleで電子書籍を読むよう彼女に勧めた。

すると、それはいいアイデアだ、お兄さんありがとう、という返事が来た。

これで一件落着だと思ったが、少し後に再度メールが来て、「あなたの国からは買えません」というエラーが出て買えない、ネットで調べたら日本国内にある端末から設定したら、できるようになった、というので、そっちでダミーで無料本でも購入してくれないかと言われた。

OKするとIDと何だか変更したのか馬鹿みたいに簡単なパスワードが送られてきた。大丈夫か?

何はともあれ、こちらから無料の夏目漱石や太宰治、芥川龍之介を買おうとしたが、俺と俺のPCは東京都世田谷区にいるにも関わらず「あなたの国からは買えません」というエラーが出る。

別に堂々とパチもんやまがいモノを売る店が軒を並べているAmazonマーケットプレースがあるのに、今さらいい子ぶって過剰コンプライアンスしてやがる、とカチンと来たが、エラー画面をよく眺めていると、「国が違いますか」的なメッセージがあった。

そこをクリックしてみると、「アカウントサービス」から「コンテンツと端末の管理」で端末の居住国の設定をやり直すことができる、とあった。とりあえず豪州にはAmazonがないから日本にしても差し支えなかろうと思った。
 

メニューを選ぶと以下のような設定スクリーンが出てきた。一番右の「設定」タブを選ぶ。
 クレジットカードとか利用設定の画面が出てきたが、ここで「居住国設定」というセクションもあった。妹の設定を見るとしっかり「豪州」となっていた。「変更」を選んでみると、しっかり変更できたので、神奈川県にある実家の住所を入れて「更新」をクリックする。


そして居住国はしっかり「日本」になった。試しに前述の無料の日本文学の作品を選んだところ、漱石も治も龍之介も、東大文学部卒のロクデナシおやじたちの作品をばんばんゲットすることができた。これで妹も南半球にいながら、さまざまな日本の書物を楽しむことができるようになった。

 それにしても、このグローバル時代に自身も多国籍企業のくせにこういうプロテクトを掛けるとは、DVDのリージョン設定並みのひどい措置である。節税以外にも気を使ってほしいところだし、日本国がTPPを受け入れた以上は、こういうセコい措置は止めてもらいものである。

ちなみにIT後進国・豪州だから妹のケースはやりやすかったが、米国とか英国とかに住んでいる人たちは、この設定変更をすると今度は居住国で買い物するときに不都合が生じる可能性がある。おそらく、フリーメールとか利用してメールアドレスを2つ作って、片方で居住国のAmazon、もう片方で日本のAmazonで使い分けるといいのではないだろうか。

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