参考: 中華シンライン・テレキャスターSX KTL-300を試す
24,000円で買ったSX KTL-300を12,000円で国立音楽院の工房で調整してもらう
新品ですが、粗かったフレット擦り合わせとネック脇の仕上げ処理をプロの職人にやってもらい、弾き心地は自分の持つ他の7-10万円程度のギターと遜色ないレベルまでに格段によくなりました。
参考: KMA楽器リペア工房
Gotohのピックアップを導入
弾き心地はよくなりましたし、もともと意外に作りはいいので、ずっと置いておいてもチューニングも安定しています。
次の課題は音質です。オリジナルのSXテレキャスターは軽快な乾いたトーンでけっこう自分の好みに近いのですが、イマイチ安っぽい音です。
さらにピックアップのせいだか、低音弦の鳴りが不自然に強調されてしまい、ちょっとでも強くコードを弾くとアンプのキャビネットが共振してグワーンと鳴ってしまうのです。
この欠点はピックアップを交換することで、ある程度解消するのではないかと考えました。
普通は前も後ろも交換すると思いますが、ジャズに使うということと、リア(ブリッジ)ピックアップは歪ませて使うので多少音質が悪くてもパワーがあればいいのではないかと考えました。
ということで、フロントピックアップだけ交換することにしました。
次にどのピックアップを選ぶかですが、Fender純正は高いし、Dimazioとかはややパワーが強そうで、(私の偏見かもしれませんが)ジャズに向いているとは思えません。
あれこれ探して、国産ギター好きの自分としては、かつてのFender JapanやGreco、Tokaiなどで使われれていたGotohのピックアップにしました。
昔、Fender Japanのストラトキャスターやテレキャスターを弾いていて音質は好みですし、ペグやブリッジなどギターの金属パーツで有名なところなので、派手さはないけど間違いはないと思いました。
Gotohのテレキャスター用ピックアップは、オールドを再現したTL-Classic、オールド風ながらパワーを強化したTL-Classic α(アルファ)、ちょっとパワフルなTL-Customとあります。
昔っぽい音が欲しくてパワーは求めていないので、TL-Classicを購入することにしました。
久々にハンダごてを握る
次はピックアップの取り付け作業です。ストラトキャスターやテレキャスターなどFender系のギターはピックガードに電装系が付けられていて作業がしやすいので、ドライバーとハンダごてがあれば自分で工作できます。
まずはピックガードのネジを取り外します。全部サイズが同じなのであまり心配要りませんが、念のため順番通りに並べておきます。
弦をゆるゆるにして、ピックガードと電装パーツを取り外しました。安いギターにしては、そこそこ丁寧に削ってあるようです。
いよいよピックアップをプラスティックのケースから取り出します。
上のスポンジを取ったところ。リップスティック型のピックアップと、固定用のネジとスプリング2個が納められていました。
裏を見るとTL-Classic / Nのシール。Nはネック側の意味でしょう。
いちおう、配線がピックアップ裏の金属にも伸ばされていて、多少はアースも効くようです。
ピックガードの裏は、電装パーツの周辺だけアルミシートで絶縁されています。
必要最小限という感じですが、あまり少ないとノイズが乗ってしまうし、あまりがっちり絶縁すると、今度は高音が減衰して抜けが悪くなるし、なかなか悩ましいところではあります。
元のピックアップの配線と同じ位置に、同じ色のケーブルを付けるだけなので全然難しい作業ではないのですが、あとで分からなくなってもいいよう、オリジナルの配線の写真を撮っておきます。
熱くなったハンダごてを押し当て、古いピックアップの配線を取り外します。上の写真の左上から延びてきている白黒の配線です。
次にGotoh TL-Classicの配線をボディ内部の穴に通して、そこからピックガードの電装パーツまで線を延ばしてきます。
まずは黒をピックアップセレクターの左側の端子に付けます。
同様に、白い配線もハンダで固定します。
いったん仮置きして鳴らしてみたら、けっこうノイズがひどかったのですが、ここの端子を注意深く、再度しっかりと付け直したら、けっこうノイズが減りました。
次にピックアップをピックガードに押し込んで仮止めします。けっこう安いっぽいピックガードでペコペコです。
上から見たところ。幸いサイズはほぼ合っていて、少しきつめですが、しっかり入りました。
付属のネジとスプリングを使って、しっかりと固定します。
あとはボディにピックガードを取り付け、ピックアップ左右のネジを締めて高さを調節しました。やや高めにセッティングして弦に近づけました。
実際の音質には満足
ギターの音質を決めるのに、木材も大切ですが、同じくらいピックアップも重要と言います。
サウンドについては、まさに国産のテレキャスターの音です。
シンライン のやや軽く乾いた感じのトーンはそのままで、バランスの良い素直な音です。
トーンを全開にすれば、ややパキパキしたテレキャスターの音がしっかり出ています。
ボリュームを 7〜8、トーンを2とか、ついに0まで絞ると、落ち着いたジャジーな音になります。
シンラインもボディの片側の一部だけが空洞なので、それほどエアー感があるわけではないですが、それでもソリッドギターの硬い音とは異なるメロウなサウンドになっています。
一言で言えば、4千円ちょいで売値が5〜8万円の国産テレキャスターと遜色ないサウンドになりました。
アーチトップのフルアコもセミアコもありますが、当面はこれをメインに使っていくことになりそうです。
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